2つの脳とは?
人間の行動の仕組みはいまだに解明されていませんが、現在最も有力な理論が心理学者のエヴァンズらが考案した二重過程理論という理論です。この理論は人間は2つの異なる脳を使い分けているというもので、それぞれシステム1とシステム2と呼ばれています。システム1は多くの動物がもつ基本的な脳の仕組みで考えなくても生きていけるように存在しています。逆にシステム2は人間固有の脳で思考をしたり他人と会話したりと高度な行動を取るために存在しています。
システム2が働いているときは大脳の前頭前野といわれる部分を使っています。この前頭前野は人間以外の動物ではあまり発達しておらず、人間の脳を象徴する部分です。ちなみに、人間の脳は内側から外側へ、そして後ろから前へ成長するので前頭前野が人間の脳で1番最後に成長する部位だと言われており、25~30歳までに成長しきると言われています。また、前頭前野が発達していると集中力が高かったり、目の前の誘惑に流されにくくなるとも言われています。
システム1について
システム1はほとんど無意識の状態で勝手に行動することができます。最もわかりやすいのが歩くときや暑いものを触ったときです。そして、システム1は処理スピードが速く、使ってもあまり疲れません。しかし、この性質はメリットとデメリットが発生します。
メリット
ブラインドタッチや慣れている人の運転など脳が自動化されているからこそ違うことに脳を使うことができます。もし、システム1がなければいちいちキーボードの配置を思い出しながら書くことを考えたりしなくてはいけないし、アクセルやブレーキを意識しながら安全を確認しなくてはいけなくなります。こんなことをしていればすぐに疲れるし、最悪の場合死んでしまいます。
また、習慣化ができることで必要なことに脳を使うことができます。成功者などはみんな普段の生活を習慣化しています。その理由は先ほども言いましたが、やりたいことに全力を注げるからです。
デメリット
先ほどメリットを説明しましたが、もちろんデメリットも存在します。例えば、目の前に甘いスイーツが置いてあったときに我慢したくても人によっては食べてしまう。そして、ぶくぶくと太っていってしまい、最終的に糖尿病と診断されてしまう。これはあまりにも非合理的といえるでしょう。ですが、本能には逆らえないのです。
他には、思考の融通が利かないということがあります。覚えたいのに思い出せなかったり、嫌なことで忘れたいと思っているのに忘れられなかったり、思うように行かなくてイライラしてしまったりします。つまり、感情に流されてしますのです。
システム2について
システム2は様々な状況の変化に対して臨機応変に行動を変えることを可能にしています。システム1ではブラインドタッチを例としてあげましたが、システム2は逆に初心者のタイピングを例にあげましょう。タイピングを始めたばかりはキーの配置も覚えていないし、指の使い方もわかりません。なので、考えながら入力していきます。考えながらタイピングするのでとても入力が遅くて時間がかかってしまいます。では、このようにメリットやデメリットがいくつかあるのでご紹介しましょう。
メリット
メリットには、先ほども言いましたが、いろんな状況に臨機応変に対応できるという点があります。これがあるからこそ寒いときには服を作って寒さをしのいだり、獣が現れたときには武器を作って生き延びたりできました。また、コミュニケーションもメリットでしょう。みんなとうまくコミュニケーションが取れたからこそ協力し合えて数で勝てたり、食べ物を物々交換してみんなで生き延びたりしました。
また、システム1の非合理的な行動をおさえることもできます。システム1の時の説明で話した例を持ってくるとするならば、ダイエット中に甘いものを食べたくなったときに食べたいという感情をおさえてダイエットを継続することができます。
デメリット
システム2では考えてしまうがゆえにすぐに行動ができないというデメリットがあります。成功者を例にあげるとみんな口をそろえて考える前に動けといいます。これはシステム2が作動してリスクを考えて今の環境から抜け出せなくならないようにしようということです。しかも、動かない理由を考えて余計に動けなくなります。別に今の環境がいいのならばそれでいいのかもしれませんが、おそらく多くの人が変わりたいと思っているのではないでしょうか。
他には、疲れてしますということがデメリットとしてあげられます。例えば、こっちを見てひそひそ話している人がいるときにどうせ悪口を言われているんだろうなとか、相手の反応を気にしすぎて自分をとても押さえ込んでしまうとか、考えてしまうが故に精神をすり減らしてしまいます。
まとめ
この2つの脳の使い方によってはいい人生が送れるようになるのではないでしょうか。まず、やりたいこと、例えば副業のブログ更新や毎日の運動習慣を身につけるとか、は取り組むまでの作業をシステム1で動けば力を振り絞ってやらなくて済みます。気づいたら作業していた位の感覚になるでしょう。そして、システム2をやりたいことに使えるようにする。
他には、言い方悪いですが他人を操るときに使うことができます。システム1は本能的に行動してしまうものなのでシステム2を使えないようにして、システム1で判断させる。これは、よく怪しい宗教やマルチ勧誘などに用いられます。例えば、お金がなくなって会社に疲れ切っている人がいるとしましょう。そんな人は正常な判断ができなくなっているので、簡単にお金が稼げますよといえばすぐに食いついてくるでしょう。また、神様に祈ればいつか報われるでしょうとか言えば簡単に信者になってくれます。
ここで言いたいのは詐欺をしようということではありません。マジで犯罪はしないでください。伝えたいのは自分を大切にしてこんな詐欺に引っかかるなということです。あなたは先ほどの例を読んだときにこんな簡単に人をだませるわけないでしょと思ったかもしれません。しかし、実際現実で起こっているのです。精神的にまいってしまった人はずるずると悪い方向に流れていってしまいます。そうならないために自分を大切にすることが大事です。時には逃げたっていいのです。今この文章を読んでいる人は別に精神的にまいってないかもしれないですが、気づいたら手遅れだったとならないように常に自分を気遣ってください。
脳の仕組みを知れば自分を操ることができます。あなたもぜひ、今から脳の仕組みを学んでみませんか?あなたが幸せになることを願っています。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
コメント