
はじめに:ブラウザに革命をもたらす「Dia」
「調べもの中にタブが大量に開きすぎて混乱する…」
「ChatGPTとWebページを行き来するのが面倒…」
そんな悩みを抱えたことがある人に、ぜひ知ってほしいのが、次世代AIブラウザ「Dia(ディア)」です。
Diaは、The Browser Company(Arcの開発元)が新たに開発した、AIとの“共同作業”を前提としたブラウザです。Chromeをベースにしつつ、チャット、ライティング、コーディングなどのAI機能を統合し、今までにないブラウジング体験を実現しています。
本記事では、「Dia」の基本機能、活用法、インストール方法、他ブラウザとの違いまで徹底解説していきます。
「Dia」の概要と開発背景
Diaは、Arcブラウザの後継にあたる製品で、「AIを前提とした新しいブラウザ体験を提供する」ことを目的に設計されています。
開発元であるThe Browser Companyは、すでにArcの開発リソースを縮小し、Diaの開発に注力しています。
Chromeのインターフェースと拡張機能に親しみのあるユーザーでもスムーズに使えるよう、Chromiumベースで設計されているのも特徴です。
「Dia」の革新的なAI機能
1.チャットバーと@メンション
Diaの中心にあるのが「チャットバー」。
Google検索バーのように見えますが、ここからAIとの対話や指示ができます。
さらに、「@メンション」機能により、現在開いているタブや複数のタブを指定して、AIに情報を分析・処理させることができます。
例:
@現在のタブ 商品の特徴を3点でまとめて
@all 旅行先の候補を比較しておすすめを出して
AIが直接タブの情報にアクセスするため、コピペや画面切り替えが不要です。
2.ライティング・コーディング支援
Diaには、ライターやエンジニアをサポートする機能が豊富に搭載されています。
- ライティング:文章生成、要約、校正、SNS投稿文の作成
- コーディング:コードスニペットの作成、バグ修正、関数の解説
例えば、ブログ執筆中に「この資料から概要を生成して」と指示すれば、AIがページを読み込み、文章を生成してくれます。さらに、生成された文章はワンクリックでそのままカーソル位置に挿入可能。
3.カスタムスキルと共有ギャラリー
Diaでは、よく使うAIプロンプトや処理手順を「カスタムスキル」として保存できます。
例:
/morning
→ 毎朝の天気と予定を出力/checkSEO
→ 指定ページのSEO分析を自動化
さらに、他ユーザーのスキルを探せる「共有ギャラリー」もあり、便利なスキルを取り入れて自分用にカスタマイズできます。
4.学習する「パーソナルAI」
Diaのもう一つの特徴は、**ユーザーに最適化されていく「パーソナルAI」**の存在です。
ブラウジングの履歴(最大7日間)やプロンプトの傾向を学習し、ユーザーごとに反応のトーンや提案内容を変えてくれます。まさに、使えば使うほど「自分だけのAIアシスタント」に進化します。
Diaの使い方:インストールから初期設定まで
対応環境(2025年8月時点)
- 対応OS:macOS 14以降(Apple Silicon搭載Mac限定)
- Windows版:現在開発中
インストール手順(概要)
- Dia公式サイトからインストーラーをダウンロード
- アカウント作成(Arcと同じメールアドレス推奨)
- ChromeやArcからブックマーク・拡張機能などをインポート
- UIカラーやAIのトーン設定をカスタマイズ
- パーソナライズ・プライバシー設定を完了
初期設定後、すぐにAIとの共同作業を開始できます。
Diaの活用シーン:実例で見る便利な使い方
① 長文の要約や翻訳
英語ページの一部を選択し、「要約して」や「翻訳して」と指示するだけで、的確なアウトプットが得られます。
② YouTube動画の要約
URLを貼るだけで、動画の内容を時系列付きで要約可能。長時間の動画を効率的に理解できます。
③ マルチタブの比較・分析
複数の旅行サイトを開いて「@all もっとも安いプランを教えて」と聞けば、AIが各タブを分析して最適な選択肢を提示してくれます。
④ ビジネスメールの自動作成
会議の議事録をメンションしながら「この内容を元に、〇〇さんに送る返信文を作って」と依頼することで、適切な文体でメール文を自動作成できます。
他のAIブラウザと比較して「Dia」が優れている点
項目 | Dia | Genspark | Perplexity Comet |
---|---|---|---|
中心思想 | AIとの共同作業 | AIによる自動情報収集 | 高精度なQ&A+出典提示 |
操作性・UI | ChromeライクなUI+チャット統合 | 独自のSparkpage中心の画面構成 | スレッド型UI |
AIの活用方法 | ユーザー主導のAI操作 | AI主導の自動分析 | 精度重視のQ&A形式 |
対象ユーザー | 日常的なWeb作業をAIで効率化したい人 | リサーチ中心の情報収集を行う人 | 専門的な質問・学術調査が多い人 |
現在の料金 | 無料(将来的に有料化の可能性) | 無料+有料版あり | 月額200ドル(Perplexity Max) |
Diaはあくまで**「人とAIの協働」**という姿勢をとっており、ツールの主導権が常にユーザー側にある点が特徴です。
プライバシーとセキュリティ面の配慮
DiaはAIを深く統合しながらも、ユーザーのプライバシーにも配慮しています。
- 履歴やデータは暗号化された状態で保存
- AIが参照する範囲はユーザーが明示的にコントロール可能
- 共有設定をオンにしても30日後に自動削除
安心して利用できる仕組みが整えられています。
今後の展望:Diaが描く「エージェントAIブラウザ」の未来
Diaは単なるAI搭載ブラウザではなく、AIがあなたの意思を汲み取って行動する「エージェントAI」ブラウザを目指しています。
将来的には以下のような機能も想定されています:
- 旅行予約やリサーチを自動でこなすAI
- 他ツール(Googleカレンダー・Notionなど)との連携
- Windows版・モバイル版への展開
まさにインターネットの使い方が変わる未来を体験できるツールとなるでしょう。
まとめ:Diaはブラウジング体験を次のステージへ導く
AIブラウザ「Dia」は、単なる検索ツールでも、AIのアドオンでもありません。「AIと一緒に考え、作業する」という新しいスタイルを形にした革新的なブラウザです。
- 複数タブを横断した情報整理
- ページの一部を対象にした翻訳・要約
- メール・記事などのドラフト自動生成
- カスタムスキルによる作業自動化
- 使うほど成長するパーソナルAI
このような機能を持つDiaは、これからの情報社会における「新しいWebとの向き合い方」を提案してくれます。
もしあなたが「日々のWeb作業をもっとスマートにしたい」「AIともっと自然に付き合いたい」と思っているなら、Diaはまさに試してみるべきツールです。
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